x=aの周りでテイラー展開することとは、任意の関数f(x)を下の式のような形式で表すことである。
$$f(x)=\sum_{k=0}^{∞}{\frac{f^{(k)}(a)}{k!}(x-a)^k}$$
また、a=0のときは下のように書けるが、この場合を特別にマクローリン展開という。
$$f(x)=\sum_{k=0}^{∞}{\frac{f^{(k)}(0)}{k!}x^k}$$
ここで、\(f^{(k)}(x)\)はf(x)のk階微分であった。
テイラー展開・マクローリン展開の方法
今回は、x=aの周りでn次までのテイラー展開と指定されたとする。
①関数f(x)の1次微分からn次微分までを求める。例えば、n=3の場合、1次微分,2次微分,3次微分を求めることになる。
②f(x)と①で求めた微分すべてにx=aを代入する。
③1のテイラー展開の式に代入する。
例題
問題 sinxを、3次までマクローリン展開
①sinxの1階微分、2階微分、3階微分はそれぞれcosx、-sinx、-cosxである。
②マクローリン展開ではa=0だから、x=0を代入して、sin0=0,cos0=1,-sin0=0,-cos0=-1
③マクローリン展開の式に代入する。
\begin{eqnarray} f(x)&=&\frac{f(0)}{0!}(x-0)^0+\frac{f^{(1)}(0)}{1!}(x-0)^1+\frac{f^{(2)}(0)}{2!}(x-0)^2+\frac{f^{(3)}(0)}{3!}(x-0)^3 \\&=&sin0+(cos0)x+\frac{-sin0}{2}x^2+\frac{-cosx}{6}x^3\\&=&x-\frac{1}{6}x^3 \end{eqnarray}
ここで、階乗より0!=1、1!=1、2!=2・1、3!=3・2・1
同様にすれば、同じ条件で\(cosx=1-\frac{1}{2}x^2\)が求まる。
sinxは奇関数だから奇関数の\(x\)と\(x^3\)、cosxは偶関数だから偶関数の\(x^2\)が集まっていることがわかる。
参考文献
・米田元(2009)『理工系のための微分積分入門』,サイエンス社.