今回のコラムのテーマは「未経験者のためのプレゼンテーション講座」です。
理系大学では実験のたびにレポートやプレゼンをすることになりますが、なんとなくプレゼン資料を作ったり発表したりしていませんか?大学では個々人がきちんとプレゼンができる前提でカリキュラムが進むので、もし入学までにプレゼン経験が無いと、どうしても感覚だけで準備をしがちです。そこで、プレゼン経験が無い方のために、プレゼンをするうえで最低限気を付けなければいけないことをまとめてみました。
目次を作る
プレゼンの表紙を作ったら、まず目次を作りましょう。最初に作れば、見通しを立てて資料を作りやすくなるからです。
実験のプレゼンでは、「1.目的 2.理論 3.実験方法 4.実験結果 5.考察 6.まとめ」という具合に大見出しを並べることが多いです。これらに付随する小見出しは、重要そうなものを優先的に入れましょう。詰め込みすぎたせいで文字が小さくなって遠くから見て読めなくなっていた…という事態は避けなければいけません。その場合は重要でないものから省略するべきです。
目的と結論は対応しなければならない
感覚だけでプレゼン資料を作っていると、作っていく過程で「1.目的」で書いたことを忘れて、最後に見直してみたら目的と結論で言っていることが全然違っていた…ということになりかねません。そもそも実験とは、何かしら動機や目的があって、それらを満たすために行うものです。だから結論の時点で目的の答えが提示されていなかったら、そのプレゼンには価値はありません。
こうならないために、目的と結論(まとめ)は最初に書くべきです。個人的には目次と同時に書いてしまうのがおすすめです。そして、資料を作っていく過程で定期的に結論を見直して、「今書いていることは結論にどうつながるのだろうか」と考えながら作業をしてください。
論理が破綻してはいけない
目的と結論が書けたら、いよいよ理論や考察などを盛り込んでいきます。ここで気を付けることは、ページごとに言っていることが矛盾しないように気を付けることです。
また、論理が歯抜けにならないようにも気を付けましょう。実験のプレゼンは、「AだからB、BだからC、Cだから…」を結論までやっていくものです。ここで、「なぜBだからCがいえるのか」と質問されたときに答えられないといい評価はもらえないでしょう。一つ一つの物理現象には必ず理由が伴っているものですから、この理由を逐一説明できるようにしておきましょう。
まとめ
・資料作りの見通しをよくするために、目次は最初に書く。
・結論で必ず目的の答えを言う。
・プレゼン内で論理が破綻しないようにする。
この3つが守れていれば、最低限形になっているプレゼンだといえるでしょう。逆にいくら話術が優れていても、高度なテクニックを習得していても、これらがまともになっていなかったらプレゼンとはみなされません。
最後に1分プレゼンについて少し。この場合は目次を入れる余裕はありませんが、とりあえず導入とまとめを入れておけばプレゼンっぽくなります。まとめはどんな人でも必ず入れると思いますが、それに加えて「○○するために××についてみてみましょう。」などのように、どんなに簡単でもいいから導入を入れるように心がけましょう。