速度に比例する空気抵抗の例は意外と身近に存在するが、その一つが雨粒である。今回は、比較的簡単な速度に比例する空気抵抗を見てみる。
力学
調和振動子のエネルギーとハミルトニアンの導出
調和振動子とは、単振動をする系のことである。
$$f=-kx$$
調和振動子のポテンシャルエネルギーは、次のように与えられる。
$$V(x)=\frac{1}{2}mω^2x^2$$
単振動する物体の軌跡
原点に向かって変位\(x\)に比例する大きさの力\(f\)が物体に働いている。
$$f=-kx$$
このような力による運動を単振動(調和振動)という。さらに単振動をする系を調和振動子という。
ケプラーの法則の概要と証明
ケプラーの法則とは、惑星の運動に関する法則である。この法則を使いこなせるようになれば、惑星の運動を簡単に考えることができる。そして、これについて考えるには2次元の極座標の運動方程式を導入するのが一番手っ取り早い。この記事では、ケプラーの法則の紹介と、その証明を行う。
万有引力と重力ポテンシャル
質量\(m\)の粒子と質量\(M\)の粒子間に働く万有引力は、物体間の距離が\(r\)のとき、次のように表される。
$$f(r)=-G\frac{mM}{r^2}$$
\(G=6.672×10^{-11}[N・m^2/kg^2]\):万有引力定数
遠心力・向心力とは-円運動から学ぶ見かけ上の力
円運動と向心力・遠心力を理解するためには、観測者の状態による見かけ上の力を理解する必要がある。向心力は、物体が円運動をするために必要な力で、実際に物体に働いている。一方遠心力は、観測者が物体と一緒に円運動しているときに考えるもので、実際に物体には働いていない見かけ上の力である。
向心力と遠心力の向きは正反対で、その大きさは同じである。その大きさを\(F\)とすると、次の式が成り立つ。
$$F=mrω^2=m\frac{v^{2}}{r}$$
\(m\):質量 \(r\):軌道の半径 \(ω\):角速度[rad/s] \(v\):物体の速度[m/s]
慣性モーメント
慣性モーメントとは
静止した物体が動いたり、加速度運動したりするためにはエネルギーが必要である。それと同じように、静止した物体が回転するときもエネルギーを必要とするはずである。そのエネルギーを求めるためには、回転軸に対する物体の回転しにくさを表す物理量が必要だ。この回転しにくさを慣性モーメントという。力に対する物体の動きにくさを表す指標が「質量」としたら、その回転バージョンが「慣性モーメント」である。
この慣性モーメント\(I_{j}\)は、質点\(m_{j}\)から回転軸までの距離を\(r_{j}\)とすると、次のように表せる。
$$I_j=m_{j}r_{j}^{2}$$
物体は質点の塊だから、上の式を物体全体を積分範囲として積分すれば、慣性モーメント\(I\)が求まる。
さらに、この慣性モーメント\(I\)と剛体の角速度\(ω\)を使って、物体の回転による運動エネルギー\(K\)を表すことができる。
$$K=\frac{1}{2}I\omega^{2}$$
この式は、質量mの物体が速度vで動いているときの運動エネルギーEの式\(E=\frac{1}{2}mv^{2}\)と比較すれば覚えやすい。