シュレディンガー方程式を解く意味とは

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シュレディンガー方程式

$$\left[ -\frac{ħ^2}{2m}∇^2 +V({\bf r}) \right]Ψ({\bf r},t)=iħ\frac{∂}{∂t}Ψ({\bf r},t)$$

波動関数\(ψ({\bf r})\)が時刻\(t\)に依存しないとすると、方程式は次の形になる。

$$\left[ -\frac{ħ^2}{2m}∇^2 +V({\bf r}) \right]ψ({\bf r})=Eψ({\bf r})$$

\(ħ=h/2π\):ディラック定数 \(m\):粒子の質量

\(V\):ポテンシャルエネルギー \(E\):粒子がもつ力学的エネルギー

また、\(\left[ -\frac{ħ^2}{2m}∇^2 +V({\bf r}) \right]\)を演算子\(\hat{H}\)とおくと、つぎのように簡単にかける。

$$\hat{H}ψ=Eψ$$



固有値問題とは

固有値問題と聞くと、行列の固有値・固有ベクトルを思い出すだろう。あれにも\({\bf A}φ=λφ\)といった形の式がでてきた。方程式がこの形になっていれば、行列を含んでいようが微分方程式だろうが固有値問題を名乗れるのである。

参考:固有値・固有ベクトルの求め方

そして、行列の固有値問題では、行列\({\bf A}\)に相当するものを演算子、\(λ\)を固有値、\(φ\)を固有ベクトルと呼んだ。これを踏まえてもう一度シュレディンガー方程式を見てみよう。

$$\hat{H}ψ=Eψ$$

以上から、\(\hat{H}\)が演算子、\(E\)が固有値、\(ψ\)が固有関数(今回はベクトルではない)に該当する。\(\hat{H}\)がハミルトン演算子、\(E\)が固有エネルギーと呼ばれるのは、シュレディンガー方程式が固有値問題の方程式と同じ形になっているからである。

波動関数\(Ψ({\bf r},t)\)の意味

存在確率とは

量子レベルの大きさの粒子の位置は、「点(a,b,c)に存在する」などと座標の一点を指して表現することはできない(量子レベルの粒子は波動の性質も併せ持っているから)。そのかわりに、観測した範囲内で粒子が見つかる確率を使って、粒子のおおよその場所を求める。この確率を存在確率という。

シュレディンガー方程式を解く意味

シュレディンガー方程式の波動関数\(Ψ(x,t)\)は、絶対値の二乗\(|Ψ(x,t)|^2\)をとることで、初めて物理的な意味をもつ。この\(|Ψ(x,t)|^2\)を確率密度という。なぜ確率「密度」というのかというと、これに距離の範囲\(dx\)をかけることで、その範囲で観測したときに粒子が見つかる確率、つまり存在確率が求まるからである。

まとめると、シュレディンガー方程式を解いて波動関数\(Ψ(x,t)\)を求める作業は、存在確率を求めることで粒子のおおよその場所を求める作業だと言い換えられる。

まとめ

・シュレディンガー方程式は、演算子として\(\hat{H}\)、波動関数\(Ψ(x,t)\)を固有関数、固有エネルギー\(E\)を固有値とした固有値問題である。

・シュレディンガー方程式を解くことで、確率密度\(|Ψ({\bf r},t)|^2\)が求まる。この確率密度は、粒子の存在確率\(|Ψ(x,t)|^2 ・dx\)をもとめるために必要なものである。

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追記 2018/02/11

確率密度\(|Ψ({\bf r},t)|^2\)と関連深い記事を作成したので、こちらも参照のこと。\(|Ψ({\bf r},t)|^2\)を確率密度と解釈できる理由が詳しく書いてある。

参考:確率流密度と連続の式の導出

参考文献

・馬場敬之(2015)『スバラシク実力がつくと評判の量子力学 キャンパス・ゼミ 改訂1』,マセマ出版社.

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