量子力学には、「ブラベクトル」と「ケットベクト」というものを使う。ブラベクトルは\(<a|\)、ケットベクトルは\(|a>\)と表される。これらは参考書などをみると波動関数のように使われているのを確認できるが、これらを導入することでどのようなメリットがあるのだろうか。
ド・ブロイ波の例題集
量子力学では、あらゆる物体は粒子と波の両方の性質を併せ持っていると考える。それならば、粒子の性質と波の性質をリンクするための決まりがあるはずである。ド・ブロイは、光と同じように、陽子や電子などの質量をもつ粒子すらも波と考えることができるのではないかと考えて、次のような関係式を提案した。
$$λ=\frac{h}{p}$$
\(h\)はプランク定数、\(p\)は粒子の運動量である。そして、その粒子は波長\(λ\)の波と同じ性質を持つ。この波長\(λ\)をド・ブロイ波長と呼ぶ。
シュレディンガー方程式を解く意味とは
シュレディンガー方程式
波動関数\(ψ({\bf r})\)が時刻\(t\)に依存しないとすると、方程式は次の形になる。
\(ħ=h/2π\):ディラック定数 \(m\):粒子の質量
\(V\):ポテンシャルエネルギー \(E\):粒子がもつ力学的エネルギー
また、\(\left[ -\frac{ħ^2}{2m}∇^2 +V({\bf r}) \right]\)を演算子\(\hat{H}\)とおくと、つぎのように簡単にかける。
$$\hat{H}ψ=Eψ$$
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複素積分における積分経路の設定方法
この前は定理によって複素積分を求める方法について記事にしたが、単純に定理にあてはめるだけでは解けない複素積分も存在する。ところが、そのような複素積分でも、自分で積分経路を設定することで解けるようになる。さらに、実数関数の積分を複素積分に拡張して解くこともできる。今回はこれを適用して解ける問題を見てみる。
ローレンツ変換の意味
ほとんどの相対性理論の本は、この「ローレンツ変換」から始まる。ローレンツ変換とは、異なる動き方をしている、2つの系の時刻や空間を結びつけるような変換である。今まで学んできた力学や電磁気学などと違い、相対性理論で言っていることは、初見ではすぐには信じられないことばかりだろう。例えば、質量を持つ物体は光速に追いつけないことや、光速に近い速さで動いていると時間の進み方が遅くなることなど。この記事を読み進めることで、ローレンツ変換の意味をじっくり考えてみてほしい。
収束半径とは何か
次のべき級数を考える。
$$\sum_{n=0}^∞ a_nz^n・・・(1)$$
このべき級数を構成する\(a_n\)と\(z\)の絶対値をとる。
$$\sum_{n=0}^∞ |a_n||z|^n・・・(2)$$
このべき級数(2)が収束することを、絶対収束という。そして、べき級数(2)が収束すれば、べき級数(1)も収束するといえる。
収束半径Rとは、べき級数(2)が絶対収束する\(|z|\)と発散する\(|z|\)の境界を指す。もし\(|z|<R\)ならばべき級数(1)は収束し、\(|z|>R\)ならばべき級数(1)は発散する。\(|z|=R\)のときはべき級数ごとに収束・発散が異なるため、問題ごとに収束するか発散するか考える必要がある。
ラプラス変換と代数方程式
ラプラス変換とは、下のような変換\(F(s)\)を指す。
$$F(s)=\int_0^∞ f(t)e^{-st}dt$$
ラプラス変換前の関数\(f(t)\)は\(t\)に依存している関数であるが、ラプラス変換後の関数\(F(s)\)は\(s\)に依存している関数になっている。
量子コンピュータって何?普通のものと何が違うのか
今回のコラムのテーマは、「量子コンピュータ」です。
2017年11月20日、NTTが一般向けの国産の量子コンピュータを使ったシステムを発表しました。最近よく量子コンピュータという単語を耳にしますが、これは普通のコンピュータとは何が違うのでしょうか?この記事では、量子コンピュータと従来のコンピュータの違いや、量子コンピュータに使われる量子ドットについて、簡単に触れていきたいと思います。
固有値・固有ベクトルの求め方
行列\({\bf A}\)の固有値λと固有ベクトルφは、次の関数を満たす。
$${\bf A}φ=λφ$$
この固有値λと固有ベクトルφの求め方を見ていこうと思う。
コイル・抵抗・コンデンサーを含む回路の電流の計算方法
大学ではLRC電気回路を考えることが多い。Lはコイル、Rは抵抗、Cはコンデンサーを指す。それぞれの部品にかかる電圧と、部品に流れる電流の関係は、次のように与えられる。
コイルの電圧
$$V_{L}(t)=L\frac{dI(t)}{dt}$$
抵抗の電圧
$$V_{R}(t)=RI(t)$$
コンデンサーの電圧
$$V_{C}(t)=\frac{1}{C} \int I(t) dt=\frac{Q(t)}{C}$$
\(L\):コイルの自己インダクタンス \(R\):抵抗の大きさ \(C\):コンデンサーの電気容量 \(Q(t)\):コンデンサーに蓄えられている電荷