磁化率と残留磁化

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[mathjax]

外部磁場が0のときに磁化ベクトルも0になる等方的な物質において、外部磁場が小さいとき、磁化ベクトル\(\bf M\)は外部磁場\({\bf H}_{ex}\)に比例する。この比例定数を磁化率\(χ_m\)という。

$${\bf M}=χ_m{\bf H}_{ex}・・・(1)$$

この磁化率が正の場合は常磁性体か強磁性体、負の場合は反磁性体を表す。



外部磁場と磁化率

外部磁場と磁束密度、磁化について、次の式が成り立っている。

$${\bf B}=μ_0{\bf H}_{ex}+{\bf M}・・・(2)$$

参考:磁化を考慮したマクスウェル方程式の導出

式(2)に式(1)を代入する。

\begin{eqnarray} {\bf B}&=&μ_0{\bf H}_{ex}+χ_m{\bf H}_{ex}\\&=&(μ_0+χ_m){\bf H}_{ex}\\&=&μ{\bf H}_{ex}・・・(3) \end{eqnarray}

ここで、\(μ≡μ_0+χ_m\)とおいた。この\(μ\)を透磁率という。磁化率\(χ_m\)は物質ごとに依存するから、\(μ\)も物質ごとに違った値になる。

残留磁化

硬い強磁性体と軟らかい強磁性体

ここの内容は電磁気学の範囲からやや外れるため、図だけ確認して後は読み飛ばしてもよい。

強磁性体に強い外部磁場をかけると、その強磁性体内に強い磁化が発生する。外部磁場が小さいときは、式(3)に従って磁化は外部磁場に比例する。ところが、外部磁場が強くなるにつれて、電子のスピンの方向がそろってくる。磁化ベクトルは電子のスピンによって発生するため、すべての電子のスピンの向きがそろった時点で磁化の大きさは上図のように頭打ちになる。

強い外部磁場をかけて磁化を頭打ちにした状態から、外部磁場を次第に弱くしていったときを考える。外部磁場を0にしたときに、磁化も0付近になる物質と、磁化は0にならない物質に分かれる。前者を軟らかい強磁性体、後者を硬い強磁性体とよぶ。

ちなみに、上図のようなグラフのことをヒステリシス曲線とよぶ。

残留磁化\({\bf M}_0\)

強磁性体に十分強い外部磁場をかけ、その後外部磁場を0にする。このとき、物質によって磁化が0にならないことがあるが、その場合の磁化を残留磁化とよぶ。これを\({\bf M}_0\)とおくと、次の関係を満たす。

$${\bf B}=μ{\bf H}+{\bf M}_0$$

まとめ

・磁性体の種類によって、磁化率の正負がどうなるか確認した。

・物質の透磁率\(μ\)は、真空中の透磁率\(μ_0\)と磁化率\(χ_m\)の和となる。

・残留磁化の意味を確認した。

参考文献

・伊東敏雄(2008)『朝倉物理学選書2 電磁気学』,朝倉書店.

・砂川重信(1988)『電磁気学 ―初めて学ぶ人のために―』,培風館.

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