力のモーメントと角運動量の関係

従来の運動量p=mvは、物体の並進運動の勢いや激しさを表していた。これの回転運動バージョンが角運動量である。つまり角運動量Lとは、回転軸に対する回転運動の勢いや激しさを表すパラメータである。

Lr×p

力のモーメントNとは、回転軸に対して物体を回転させようとする力の大きさを表す。トルクと呼ばれることもある。

Nr×F

角運動量ベクトルLと力のモーメントのベクトルNの関係は次の通りになる。

dLdt=N

この記事では、2次元平面と3次元空間でこのLNの関係式が成り立つことを示す。

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ジュールの法則とその微分形の導出

ジュールの法則

W=IΔφ=RI2=(Δφ)2R
W:単位時間あたりで2点間で発生する熱量 Δφ:2点間の電位差 R:2点間の抵抗 I:2点間を流れる電流

ジュールの法則の微分形

w(r)=j(r)E(r)

w:単位体積内かつ単位時間で発生する熱量 j:電流密度 E:電場

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オームの法則とその微分形の導出

オームの法則

Δφ=RI

Δφ:2点間の電位差 R:2点間の抵抗 I:2点間を流れる電流

オームの法則の微分形

j=σE

j:電流密度 σ:電気伝導率 E:電場

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示強性・示量性とは

物理量は、示量性変数と示強性変数(強度変数)の2種類に分類される。これらの違いは、系の大きさを変えたときに、その物理量が系の大きさの変化に比例するかどうかで決まる。系の大きさに比例する方を示量性変数、しない方を示強性変数とよぶ。具体的には、示量性変数は体積Vや物質量n、示強性変数は温度Tや圧力pが挙げられる。

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電磁ポテンシャルとゲージ変換の導出

スカラーポテンシャルφベクトルポテンシャルAをまとめて電磁ポテンシャルと呼ぶ。

E(t,r)=φ(t,r)A(t,r)t
B(t,r)=×A(t,r)

電場E(t,r)と磁束密度B(t,r)は、次のゲージ変換で不変である。

AA(t,r)=A(t,r)+χ(t,r)
φ(t,r)φ(t,r)=φ(t,r)tχ(t,r)

参考:Maxwell方程式の微分系と積分系

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ブラケットベクトルと消滅演算子・生成演算子の関係まとめ

消滅演算子ˆaは固有値を1つ下げ、生成演算子ˆaは固有値を1つ上げる性質をもつ。この記事では、下の7つの式の導出と、それらが意味することの確認を行う。

ˆnˆaφn=(n1)ˆaφn(1)
ˆnˆaφn=(n+1)ˆaφn(2)

ˆa|0>=0(3)

ˆn|n>=n|n>(4)

ˆa|n>=n+1|n+1>(5)
ˆa|n>=n|n1>(6)

<m|n>=δmn(7)

参考:ブラベクトル・ケットベクトルの意味とは

参考:消滅演算子・生成演算子

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消滅演算子・生成演算子の交換関係の導出

調和振動子の消滅演算子ˆaと生成演算子ˆa、数演算子ˆnを使った交換関係をまとめてみた。

[ˆa,ˆa]=1(1)

[ˆn,ˆa]=ˆa(2)

[ˆn,ˆa]=ˆa(3)

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単振動する物体の軌跡

原点に向かって変位xに比例する大きさの力fが物体に働いている。

f=kx

このような力による運動を単振動(調和振動)という。さらに単振動をする系を調和振動子という。

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